六甲健康保養地研究会について
当研究会は、六甲山を都市型でありながら自然の豊かな健康保養地エリアとして捉え、自然や森の力を利用した様々な療法の受け皿(森と施設)を、ドイツの自然保養療養地やクナイプ療法等の先進事例※も取り入れながら創設し、広く様々な形で利用してもらうことで、その効果を実感していただきたいと思い描いています。この構想は、医療費の削減に結びつく予防医学的な視点はもちろん、神戸の新たな観光産業としての視点からも意義深いものと考え研究を行い、新しい健康保養地実現のための活動をしています。
※例えば、ドイツ国内には、自然保養療養地が374箇所存在し、年間1000万人が訪れています。温泉や森林、山岳などの気候や地形、海岸で海洋性気候を用いたりしています。水療法で有名なクナイプ療法の発祥の地「バート・ウェーリスホーフェン」には、毎年100万人近い人が訪れています。それらには、社会健康保険が適用され、4年に一度3週間の保養を行うことが法的に認められています
六甲健康保養地研究会の目的
当研究会は、六甲山を健康保養地にするための研究活動と、健康保養地にしていくための推進活動を目的とします。
六甲健康保養地研究会の研究課題
当研究会は、以下の課題について研究を深め、六甲山を健康保養地にしていくための活動をしていきます。
1、健康保養地としてのアセスメントに関する課題
これは、「六甲山は、健康保養地に適した場所だろうか。」という課題です。六甲山を健康保養地とするためには、科学的、医学的に適正な基準を満たしていなければなりません。六甲山が、神戸、大阪という大都市に隣接しているにもかかわらず、健康保養地として適しているか、適しているのならばどのような保養地にしていくかについて研究をしていきます。
2、健康保養地としての理念に関する課題
六甲山が健康保養地として適しているとなったら、健康保養地を目指すことができます。しかし、そうなると、そもそも健康保養地とは何か、どういうものであるべきかという課題がでてきます。六甲山を健康保養地とするということは、憲法がその25条で「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」と定めていることに関わる、一種の「公共財」を設定することになると思われます。その認識の上に立って六甲山を健康保養地として認定し、運営、管理をしていく上での理念について議論を深めていきます。
3、健康保養地の施設、運営組織、人材の育成
六甲山を健康保養地として活用していくためには、健康保養地として認定されるだけでなく、その内容に相応しい設備を備え、運営組織と人材が必要になります。クアホテル、クアパーク、クアハウスなど施設をどうするか、それらを統括して運営していくための組織、それを担うための専門知識を備えた人材をどのようにしていくかを研究をしていきます。
4、健康保養地のプログラム
健康保養地には、様々なクアプログラムが作られます。六甲山の特性に合わせて、科学的、医学的な根拠に基づいたプログラムをどのようにしていくかについて研究をしていきます。
六甲健康保養地研究会の活動内容
当研究会は、以上の研究課題に関して、各国の歴史・実情、国内の先進地に学び、情報を収集して、講演会、勉強会や体験会などイベントの開催をはじめとする健康保養地推進のための様々な活動を展開していきます。